そのファンドは本物か。ドバイで確かめる3手順

そのファンドは本物か。ドバイで確かめる3手順
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「知り合いから、ドバイのファンドを勧められまして」。

編集部に届く相談で、いちばん多い出だしがこれです。

続く言葉も、だいたい同じです。

「悪い人には見えないんです。ただ、確かめようがなくて」。

確かめる方法は、あります。

役所が無料で公開している名簿を引くだけです。専門知識は要りません。

今日は、その3つの手順をお伝えします。

「ドバイのファンド」という言葉が、いちばん曖昧です

はじめに、言葉を一つだけ整理させてください。

ファンドとは、大勢からお金を集めて一つの箱にまとめ、専門の会社が運用するしくみです。

株や不動産を自分で買うのとの違いは、運用の判断を他人に任せる点にあります。

任せる以上、いちばん確かめるべきは中身の説明ではありません。

「その会社は、人からお金を預かって運用してよいと、どこかの役所に認められているか」です。

ここが曖昧なまま話が進むとき、あとから困るのは預けた側です。

見張る役所は、ドバイに二つあります

ここが、ドバイの少しややこしいところです。

一つはDFSA(ドバイ金融サービス機構)

DIFCと呼ばれる金融の特区の中だけを受け持つ、独立した監督機関です。

もう一つは、UAE全体を見る連邦の監督機関。

かつての証券商品庁(SCA)が、2026年1月1日にCMA(資本市場庁)へ改組されました。根拠となる連邦法も同じ日に施行されています。名前が変わったばかりなので、古い資料には旧称が残っています。

そして最大の落とし穴が、ここです。

特区に会社があることと、金融業の認可を持っていることは、まったく別です。

特区の登記簿に名前が載っていても、お金を預かってよいという認可があるとは限りません。

「ドバイの金融特区にオフィスがあります」。

この一言は、実は何の保証にもなっていないのです。

出典: DFSA公式サイト / UAE資本市場庁(CMA・旧SCA)公式

手順1: 公的な名簿で、名前を引きます

DFSAは、認可した会社・個人・ファンドの一覧を無料で公開しています。

会社名を入れて検索するだけで、認可の有無と、その会社が提供してよい業務の範囲まで確認できます。

CMA(旧SCA)も同じように、認可を受けた会社の一覧を公開しています。

💡 ここで一つ、注意があります

この名簿は、必ず検索エンジンや相手から送られたリンクではなく、役所の公式サイトから開いてください。DFSAは、認可を装う手口への注意喚起を公表しています。そこには、当局の名簿そのものを丸ごと複製した偽サイトを見せる手口、実在する会社の認可番号やロゴをそのまま流用する手口、特区に所在すると偽る手口が挙げられています。

つまり「これが認可証です」と見せられた画面は、証拠になりません。

自分で公式サイトに行き、自分で名前を打ち込む。

遠回りに見えて、これが唯一たしかな手順です。

出典: DFSA 公的登録簿(認可を受けた会社) / DFSA 注意喚起(Alerts) / UAE資本市場庁 認可会社一覧

手順2: 日本の金融庁で、二つのリストを見ます

ドバイ側で認可があっても、話はまだ終わりません。

海外の業者であっても、日本に住む人を相手に勧誘するなら、原則として日本での登録が必要です。

金融庁がそう明記しています。

見るリストは二つあります。

一つ目は「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」。

金融商品取引業者の一覧は、令和8年6月30日現在のものが公開されています。ここに名前があるかを確かめます。

二つ目は「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」。

金融庁が警告書を出した相手の一覧で、国内の業者と海外にある業者が分けて載っています。最終更新は令和8年7月22日です。

⚠️ 「載っていない=安全」ではありません

金融庁は、このリストに載るのは「警告書を出した時点で無登録営業が確認できた者に限られる」と明記しています。名前がないことは、白の証明にはなりません。確かめるべきは、二つ目のリストに載っていないことではなく、一つ目のリストに載っていることです。

出典: 金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」 / 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」 / 金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」

手順3: 「いつ返ってくるお金か」を、書面で確かめます

ここまでの二つを通ったら、最後に一点だけ、口頭ではなく書面で確認してください。

そのお金は、いつ、どういう条件で返ってくるのか

ファンドには、一定期間引き出せない決まりが付くことがあります。

数年単位で動かせない設計も、めずらしくありません。

利回りの話は熱心にするのに、この一点になると口が濁る。

そういう相手であれば、その時点で判断はついたと考えてよいと私たちは思います。

確かめられないときは、断る

編集部の見立てを、はっきり書きます。

ドバイのファンドが危ないのではありません。

確かめられないまま預けることが危ないのです。

認可のある会社は、名簿に載っていることを確認されて困りません。

むしろ「どうぞ公式サイトで引いてください」と自分から言います。

急かされたら、それだけで一度離れる。

「今日中に」「あなただけに」と言われた瞬間に、手順1に戻る。

そのくらいで、ちょうどよいと考えます。

大切なお金です。確かめる時間を惜しむ相手より、待ってくれる相手を選んでください。

よくある質問

Q1. 「ドバイ国際金融センターに登記があります」と言われました。安心してよいですか?

いいえ。特区に会社があることと、お金を預かる金融業の認可を受けていることは別です。DFSAの公的な登録簿で、認可の有無とその範囲まで確認してください。

Q2. 認可証の画像を見せてもらいました。これで確認したことになりますか?

なりません。DFSAは、実在する会社の認可番号やロゴを流用する手口や、当局の登録簿を複製した偽サイトを使う手口への注意喚起を公表しています。必ずご自分で公式サイトを開いて検索してください。

Q3. 日本の金融庁のリストに名前がなければ、無登録業者ということですか?

そう単純ではありません。金融庁は、無登録業者のリストに載るのは警告書を出した時点で確認できた相手に限られると明記しています。名前がないことは安全の証明になりません。登録業者の一覧に載っているかを確認してください。

Q4. 知人からの紹介でも、同じように確認すべきですか?

同じです。紹介した知人も、多くの場合は自分で名簿を引いていません。人柄への信頼と、会社の認可の有無は、別々に確かめるものだと私たちは考えます。

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「投資の選択肢」は、ドバイに関わる投資の種類を同じ物差しで並べて紹介するシリーズです。特定の商品をおすすめするものではありません。

本記事について

  • 本記事は情報提供を目的としています
  • 記事内容は2026年8月6日時点のものであり、最新性を保証するものではありません
  • 監督機関の名称・制度は変更されることがあります(2026年1月1日にUAE証券商品庁がCMAへ改組)。最新情報は各当局の公式サイトでご確認ください
  • 本記事は特定の事業者・ファンド・商品をすすめるもの、また批判するものではありません
  • 掲載した確認手順は一般的な注意点であり、個別の投資判断や法律・税務の助言ではありません
  • 本記事の情報に基づく行動の結果について、当媒体は責任を負いかねます

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