4万円台から。ドバイ不動産を「一部だけ持つ」

4万円台から。ドバイ不動産を「一部だけ持つ」
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「ドバイの不動産に興味はある。でも、数千万円は出せない」。

編集部に届く声で、いちばん多いのがこれです。

その入口が、また一段低くなりました。

ドバイ土地局が公認する小口のしくみで、4万円台から不動産の持ち分を買えるようになったのです。

売り出された物件が数分で満額になった、という話も伝わっています。

ただ、うのみにできない条件がいくつも付きます。

そして結論から申し上げると、日本に住む私たちには、まだこの扉は開いていません。

下がったのは「買い直し」の値段でした

2026年7月24日、地元紙が報じました。

ドバイ土地局と組む小口サービスが、最低投資額を2,000ディルハムから1,000ディルハムへ引き下げた、と。

1ディルハムを約43円で換算すると、およそ4万3千円です。

ここに、見落としやすい但し書きがあります。

下がったのは、すでに誰かが持っている持ち分を買い直すときの最低額です。

新しい物件が売り出される場面での最低額は、2,000ディルハム(約8万6千円)のまま据え置かれています。

つまり値下げされたのは「中古の売り場」だけ。

「4万円で不動産が買える」という見出しだけを読むと、この差は見えません。

出典: Gulf News「ドバイ、小口不動産の最低額を1,000ディルハムに引き下げ」(2026年7月24日)

そもそも「一部だけ持つ」とは何でしょうか

想像しやすいのは、1軒の家を細かく割って、その一片だけを買う光景です。

実際の運用では、1平方メートルを1万個に分け、誰がどれを持っているかを電子の記録として管理します。

このしくみが目を引くのは、民間が独自に始めたものではない点です。

持ち分は、ドバイ土地局が発行する権利証(日本でいう登記)に直接ひもづきます。

枠組みづくりには、規制当局VARA(仮想資産規制庁)、UAE中央銀行、ドバイ未来財団が関わっています。

支払いはすべてディルハム建てで、暗号資産は使えません。

持ち主が受け取るのは、毎月の家賃の分け前と、値上がりしたときの差額の二つです。

運営側は年8〜12%という想定を示していますが、これは見込みであって約束ではありません。

出典: ドバイ土地局 公式発表(不動産の小口化と権利証) / Khaleej Times(制度の解説)

「数分で完売」は、良い知らせなのでしょうか

土地局の実証枠では、これまでに10件の物件が組成され、すべて満額に達しました。

一部は2分足らずで埋まったと報じられています。

1件目の内訳も公表されています。

参加したのは224名、うち70%がドバイの不動産に初めて関わる人でした。

44の国籍にまたがり、一人あたりの平均は10,714ディルハム(約46万円)。待機登録は6,000件を超えたといいます。

⚠️ 完売の速さが意味すること

売り切れの速さは、買いたい人が多いことの証拠です。物件そのものが良いという証明ではありません。数分で判断を迫られる場では、書類を読み込む時間はまず取れない。この点は、値段の安さと切り離して考える必要があります。

出典: ドバイ土地局 公式発表 / Gulf News(2026年7月24日)

売りたいときに、売れるのでしょうか

この問いに答える動きが、2026年2月20日にありました。

持ち分を売買する場、いわば中古の売り場が正式に動き出したのです。

アプリの上で24時間いつでも売り買いと名義の移転ができます。

ただし、売り手が付けられる値段には枠があります。

直近の評価額から上下15%まで。極端な安売りも高値づけもできません。

これは荒い値動きを抑える工夫です。

裏を返せば、急いで現金にしたいときに大きく値引きして手放す自由もない、ということ。

そして買い手が現れなければ、いくらで出しても売れません。

「いつでも売れる」と「いつでも希望額で売れる」は、まったく別の話です。

それでも、日本に住む私たちは買えません

いちばん大事な事実を、最後に置きます。

このしくみに参加できるのは、有効なエミレーツID(UAEの身分証)を持つ18歳以上の居住者だけです。

海外に住む投資家はまだ対象外で、将来広げる方針が示されている段階にとどまります。

一人が買えるのは1物件の20%までという上限もあります。

だから、もし日本にいるあなたに「ドバイの不動産を4万円から持てます」と持ちかける人が現れたら。

それは土地局公認のこのしくみそのものではありません。

別の何かです。まず、そこを確かめてください。

編集部の見立てを、はっきり書きます。

このしくみで注目すべきは値段の安さではなく、国の登記に持ち分がひもづいているという一点です。

そしてその一点があるからこそ、名前だけを借りた紛らわしい話も生まれます。開いていない扉を「開いている」と言う人には、近づかない。今はそれが正解だと私たちは考えます。

出典: Khaleej Times(参加資格の解説)

よくある質問

Q1. 日本に住んだままでも、いつか買えるようになりますか?

海外の投資家に広げる方針は示されていますが、時期や条件は公表されていません。現時点では「予定」の段階です。開放されたかどうかは、ドバイ土地局の公式発表でご確認ください。

Q2. 4万3千円あれば、どんな物件でも買えるのですか?

いいえ。1,000ディルハムという金額は、すでに出回っている持ち分を買い直す場合の最低額です。新しく売り出される物件に申し込む場合は、2,000ディルハム(約8万6千円)からとなります。

Q3. 年8〜12%というのは、受け取れる金額の保証ですか?

保証ではありません。運営側が示している想定です。家賃収入は空室が出れば減りますし、値上がり分は売れて初めて手元に入ります。円に戻すときの為替の影響も残ります。

Q4. 不動産を「買わずに投資する」やり方とは違うのですか?

違います。上場している不動産の株(REIT)は証券取引所で売買するしくみで、こちらは土地局の権利証にひもづく持ち分を専用の場で売買するしくみです。関わる役所も、売買の場も別です。

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「投資の選択肢」は、ドバイに関わる投資の種類を同じ物差しで並べて紹介するシリーズです。特定の商品をおすすめするものではありません。

本記事について

  • 本記事は情報提供を目的としています
  • 記事内容は2026年8月6日時点のものであり、最新性を保証するものではありません
  • 参加資格・最低金額・売買のルールは変更される可能性があります。最新情報はドバイ土地局および規制当局の公式情報でご確認ください
  • 年8〜12%という利回りは運営側が示す想定であり、受け取れる金額を保証するものではありません
  • 円換算は1ディルハム=約43円(2026年8月上旬)で計算しており、為替により変動します
  • 本記事は特定の事業者・サービス・商品の利用をすすめるものではありません
  • 本記事の情報に基づく行動の結果について、当媒体は責任を負いかねます

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