値札の外にいくら要る? ドバイ不動産の諸費用

値札の外にいくら要る? ドバイ不動産の諸費用
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物件の資料に、大きな数字が一つだけ書いてあります。

「150万ディルハム」。日本円にして、およそ6,500万円。

このとき多くの方が、6,500万円を用意すれば買えると考えます。

足りません。

海外の不動産で困るのは、値札の外にあるお金です。ただドバイの場合、その大半は役所が金額を公表しています。今日は、その数字だけを積み上げます。

いちばん大きいのは、役所に払う4%です

ドバイの不動産の売買は、ドバイ土地局(DLD)という役所の登記簿に記録して初めて成立します。その登記にかかる料金が、売買金額の4%。DLDの公式な手数料表に、そのまま書かれています。

150万ディルハムの部屋なら、6万ディルハム(約260万円)

日本の不動産取得税や登録免許税にあたるもの、と考えると近いのですが、払うタイミングが違います。ドバイでは名義を移すその日に、その場で納めます。

出典: ドバイ土地局 不動産取引法令集(手数料表)

その4%、法律には「売主と買主で折半」と書いてあります

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

ドバイの手数料を定めた決議の第3条には、こう書かれています。

別段の合意がない限り、不動産売買の手数料は、売主と買主が等分して負担する

DLDの公式サービスページも同じです。売買登記の手数料欄には、こう並びます。

💡 ドバイ土地局が公表している表記

売主: 売買価格の2%
買主: 売買価格の2%
——つまり制度としては、4%は最初から半分ずつのものとして設計されています。

ところが実際の取引では、買主が4%の全額を払うのが当たり前になっています。市場の慣行です。

この慣行が違法なわけではありません。条文の「別段の合意がない限り」に当たるからです。全額買主負担も、立派な「別段の合意」です。

ただ、知っているかどうかで立っている場所が変わります。

「制度上は折半のはずですよね」と言える人と、言えない人。交渉の余地があるかどうかではなく、話の土台を知っているかどうかの差です。

出典: ドバイ土地局 不動産売買登記サービス / ドバイ土地局 不動産取引法令集 第3条

4%の外側に、細かいものが積み上がります

4%だけなら、話は簡単でした。実際には、その周りに小さな費用が並びます。

| 項目 | 金額 | 出どころ |

|—|—|—|

| 登記手数料 | 売買価格の4% | DLD公式 |

| 登記事務所の手数料 | 4,000ディルハム+税(売買価格50万ディルハム以上) / 2,000ディルハム+税(50万未満) | DLD公式 |

| 権利証の発行 | 250ディルハム | DLD公式 |

| 図面の発行 | 250ディルハム(住戸・戸建て) | DLD公式 |

| 知識料・革新料 | 各10ディルハム | DLD公式 |

| 開発業者の異議なし証明 | 業者が決める | 非公表 |

| 仲介手数料 | 法律で決まった率はない(慣行は2%+税) | 契約次第 |

| 住宅ローンを組む場合 | 借入額の0.25%+関連費用 | DLD公式 |

金額が決まっていない行が2つあります。ここが要注意です。以下の円換算は1ディルハム=約43円です。

一つは、開発業者が出す異議なし証明(NOC)。DLDは売買登記の必要書類としてこれを求めていますが、いくら取るかは業者ごとに違い、公表されていません。契約前に必ず金額を聞いてください。

もう一つが仲介手数料です。ドバイでは、これを何%にするかを法律が決めていません。売買では2%に税を足した額が広く使われていますが、慣行であって義務ではありません。誰が払うかにも定めはなく、署名した契約書がすべてです。

出典: ドバイ土地局 不動産売買登記サービス / ドバイ土地局 抵当権登記サービス

では、150万ディルハムの部屋で積み上げるとどうなるか。仲介2%を買主が払い、ローンを使わない場合です。

| 項目 | ディルハム | 円換算 |

|—|—:|—:|

| 登記手数料 4% | 60,000 | 約260万円 |

| 登記事務所 4,000+税 | 4,200 | 約18万円 |

| 権利証・図面・その他 | 520 | 約2万円 |

| 仲介 2%+税 | 31,500 | 約137万円 |

| 合計 | 96,220 | 約418万円 |

物件価格の約6.4%。異議なし証明の分は、まだ入っていません。

6,500万円の部屋を買うのに、7,000万円近くを用意しておく。これが現実の姿です。

買った後、毎年出ていくお金があります

持っている間、毎年出ていくものが2種類あります。

一つ目が管理費(サービスチャージ)。建物の共用部分を維持するための費用で、所有者が払います。

金額は建物ごとにまったく違います。ただ、ここがドバイの良いところで、買う前に自分で調べられます。DLDが「サービスチャージ索引」という無料の照会サービスを公開しており、物件名や権利証の番号から、規制当局が承認した1平方フィートあたりの単価を引けるのです。

計算方法もDLDが説明しています。承認された単価 × 自分の専有面積。仮に単価が15ディルハム、専有面積が900平方フィートなら、年に13,500ディルハム(約59万円)。単価は建物で数倍違います。必ずご自分の物件で引いてください。

二つ目が住宅料(ハウジングフィー)。UAE政府の公式ポータルによれば、ドバイでは年間賃料の5%を市に納めることになっており、毎月の電気・水道料金の請求に上乗せされて届きます。

⚠️ 貸している場合、払う人が違います

ドバイ土地局は「物件に関する管理費を負担するのは所有者」、一方で「入居者は年間賃料の5%にあたる市の料金を負担する」と説明しています。人に貸しているなら、管理費はあなた、住宅料は入居者。空室のあいだは、両方があなたに来ます。空室期間の怖さは、家賃が入らないことだけではありません。

出典: ドバイ土地局 サービスチャージ索引 / ドバイ土地局 よくある質問 / u.ae 賃貸について

出るときにも、費用と時間がかかります

売るときの話です。ここを説明されないまま買う方が、いちばん多いところです。

住宅ローンを使っていたなら、まず抵当権を外す手続きが要ります。DLDの公表額で、抹消に1,290ディルハム、登記官の手数料が315ディルハム。大きな額ではありません。

次に、開発業者の異議なし証明。買うときと同じ書類を、今度は売主として用意します。そして仲介手数料。売却でも、契約書がすべてです。

ただ、これらより大きいものがあります。為替です。

150万ディルハムは、米ドルに直すとおよそ41万ドル。ディルハムは米ドルに対して固定されているので、円での手取りは米ドルと円の関係でほぼ決まります。

1米ドルが1円動くだけで、手取りは約41万円変わる。細かい手数料を全部足したより、為替が1週間で動く幅のほうが大きいことは、めずらしくありません。

出典: ドバイ土地局 抵当権付き物件の売買登記サービス

編集部の見立て

ドバイの諸費用は、高いわけではありません。値札に入っていないだけです。

私たちがはっきり書きたいのは、「利回り8%」といった数字は、ここまでの費用を引く前の姿だということです。買うときに約6.4%を先に払い、毎年、管理費が出ていく。それを差し引いてから、はじめて自分にとっての数字が出ます。

そして、その計算に必要な数字のほとんどを、ドバイの役所は無料で公開しています。

だからこそ、こう申し上げます。

全部の金額を、契約前に、紙に書いて並べてもらってください。そのうえで、業者の説明と公式サイトの数字が一致するかを、ご自分の目で見比べる。

そこで嫌な顔をされるかどうか。それが、相手を測るいちばん簡単な物差しでもあります。

※円換算は2026年8月13日時点の目安です。1ディルハム=約43円(1米ドル=159円台、1米ドル=3.6725ディルハムの固定相場をもとに計算)。

よくある質問

Q1. 登記の4%は、必ず買主が全額払うのですか?

法律上はそうなっていません。ドバイの手数料を定めた決議は「別段の合意がない限り、売主と買主が等分して負担する」と定め、DLDの公式ページも売主2%・買主2%と表示しています。実際の取引で買主が全額を負担するのは、当事者の合意による慣行です。

Q2. 結局、物件価格の何%を余分に用意すればよいですか?

公表されている費用だけで、150万ディルハムの物件では約6.4%でした。これに開発業者の異議なし証明が加わり、住宅ローンを使う場合は借入額の0.25%と関連費用が乗ります。7%前後を目安に見ておくと安全側です。

Q3. 管理費は買う前に調べられますか?

調べられます。ドバイ土地局が「サービスチャージ索引」という照会サービスを無料で公開しており、物件名や権利証の番号から、規制当局が承認した1平方フィートあたりの単価を確認できます。その単価に専有面積を掛けたものが年間の負担額です。

Q4. 人に貸している場合、管理費と住宅料はどちらが払うのですか?

ドバイ土地局は、管理費を負担するのは所有者、入居者は年間賃料の5%にあたる市の料金を負担すると説明しています。貸しているあいだは管理費が所有者、住宅料が入居者です。空室のあいだは、どちらも所有者の負担になります。

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「投資の選択肢」は、ドバイの投資の種類を同じ物差しで並べるシリーズです。特定の商品をおすすめするものではありません。

本記事について

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  • 記事内容は2026年8月13日時点のものであり、最新性を保証するものではありません
  • 手数料・料率は改定されることがあります。実際の金額は各公式サイトと取引の時点でご確認ください
  • 円換算は記事内のレートによる目安であり、為替により変動します
  • 本記事は税務・法律の助言ではなく、特定の事業者・物件をすすめるもの、また批判するものでもありません
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