ドバイの購入支援制度、日本在住者は使えるか

ドバイの購入支援制度、日本在住者は使えるか
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「ドバイでは、初めて家を買う人を役所が後押ししてくれるらしい」。

そんな話を耳にして、少し気になった方がいるかもしれません。

結論から申し上げます。

その制度は、日本に住んだままでは使えません。

条件の一行目に「UAEに住んでいること」と書かれているからです。

ただし、これは「まったく関係のない話」という意味ではありません。

制度が動けば、買う人の数が変わります。

買う人の数が変われば、値段と家賃が動きます。

今回は、まず使えないことをはっきりさせます。

そのうえで、では何が自分に効いてくるのかまで見ていきます。

結論から――条件の一行目で、日本在住者は外れる

ドバイ土地局(DLD)が運営する「初めて家を買う人」向けの支援制度があります。

英語では First Time Home Buyer Programme と呼ばれています。

この制度の申込ページには、条件が4つ並んでいます。

その一番上が「UAEに住んでいること」です。

つまり、日本に住民票を置いたまま日本で暮らしている方は、国籍に関係なく対象外です。

申込そのものが、UAEの電子身分証(UAE PASS)でのログインを前提にしています。

UAE PASSは現地の身分証がなければ作れません。

ここを最初にはっきりさせるのには、理由があります。

「ドバイの支援制度が使えます」という説明で近づいてくる話があったとき、条件の一行目を思い出していただきたいからです。

出典: Dubai Land Department 公式 First Time Home Buyer

「初めて家を買う人」支援とは、何をしてくれる制度か

では、中身を見ておきます。

現地に住む方にとっては、実際にかなり手厚い制度です。

柱は4つあります。

新規物件の販売で優先的に案内を受けられること。

完成前の物件を優遇価格で買えること。

さらに、ドバイ土地局に払う登録料をクレジットカードで分割払いにできます。

提携する銀行を通じて、住宅ローンの金利や審査でも優遇が受けられます。

制度が始まったのは2025年7月です。

UAE政府の発表によると、2026年6月8日の時点で3,200人を超える住民が初めての住宅を手に入れました。

取引総額は50億ディルハム(約2,150億円)を超えています。

登録した人は、開始から1年足らずで約45,000人

参加する開発会社は累計22社、提携銀行は5行まで増えました。

💡 ここまでのポイント

この制度の狙いは、現金をたくさん持つ投資家に個人の買い手が競り負ける状態をやわらげることにあります。優先案内と優遇価格は、その「順番待ちの不利」を埋めるための仕組みです。だから対象が住民に限られています。

出典: UAE政府メディアオフィス(2026年6月8日発表)

対象の線引きは、たった4つ

条件は複雑ではありません。

公式ページに書かれているものをそのまま並べます。

条件 内容 日本在住者の場合
居住 UAEに住んでいること 満たせない
年齢 18歳以上 満たせる
持ち家 ドバイに自由保有の住宅を持っていないこと 多くの場合は満たせる
物件価格 500万ディルハム(約2億1,500万円)未満 物件しだいで満たせる

4つのうち3つは満たせます。

しかし、一番上のひとつが満たせません。

条件は「すべて満たすこと」なので、3つ満たしても結果は同じです。

なお、この制度が使えないことと、ドバイで家が買えないことは別の話です。

ドバイの自由保有区域では、居住ビザがなくてもパスポートだけで外国人が物件を持てます。

買えないのではなく、優遇が受けられないというのが正確な理解です。

出典: Dubai Land Department 公式 First Time Home Buyer

家賃の月払いも始まった。借りる話が、なぜ買う側に効くのか

同じ土地局が、借りる側の制度も動かしています。

2026年6月23日に始まった「Flexi Rent」です。

ドバイでは長く、1年分の家賃を小切手1〜2枚でまとめて払う慣習が続いてきました。

その負担を軽くするために、月ごと・四半期ごと・半年ごとの分割払いを認める仕組みです。

不動産会社11社と協定を結んだ形で始まりました。

一見すると、買う側には関係のない話に見えます。

しかし、家賃をまとめて用意できずに借りるのを諦めていた層が借りられるようになれば、空室が埋まります。

空室が埋まる建物は、持ち主から見れば収入が安定した建物です。

買う支援と借りる支援が同時に動いている。

ここに、ドバイという街の考え方が出ています。

値段を直接いじるのではなく、払い方の選択肢を増やして需要の裾野を広げにいっています。

⚠️ 注意点

分割払いは、支払いを先送りする仕組みではありません。参加している不動産会社を通じて借りた場合に限られ、条件は会社ごとに違います。「ドバイでは家賃が安くなった」という話ではない点に注意してください。

出典: Dubai Land Department 公式リリース(2026年6月23日)

では、日本に住んだままで何ができるのか

制度の外にいる私たちに残る道は、普通に買うことです。

自由保有区域の物件を、パスポートと資金の証明で購入する。

これは以前から変わっていません。

ただし、優遇はすべて外れます。

登録料の分割払いは使えません。

優先案内も、完成前物件の優遇価格も届きません。

現地の提携銀行による住宅ローンの優遇も、居住していない方には基本的に開かれていません。

同じ物件を、住民は優遇つきで、日本在住者は定価で買う。

この差を知らないまま「ドバイの支援制度がある」という説明だけを聞くと、話が実態より良く見えます。

私たちの見立てを申し上げます。

日本の読者にとって、この制度の意味は「使えるかどうか」ではありません。

45,000人の登録者という数字が示すのは、5億円未満の住宅を買いたい現地の需要が、制度によって掘り起こされているという事実です。

その層が買う価格帯こそ、日本から投資として検討されやすい価格帯と重なります。

競争相手が増えている。

これが、日本に住む私たちに一番効いてくる部分です。

よくある質問

Q1. 日本に住んだままでも、この支援制度は本当に使えないのですか?

はい、使えません。ドバイ土地局の公式ページが示す条件の一番目が「UAEに住んでいること」です。申込に必要なUAE PASS(現地の電子身分証)も、UAEの身分証がなければ作れません。国籍ではなく、住んでいる場所で線が引かれています。

Q2. では、日本在住者はドバイの家を買えないのですか?

買えます。ドバイの自由保有区域では、居住ビザがなくても外国人がパスポートで物件を所有できます。買えないのではなく、初めて買う人向けの優遇が受けられないということです。登録料の分割や優遇価格は対象外になります。

Q3. この制度は、どのくらい使われているのですか?

UAE政府の2026年6月8日の発表によると、2025年7月の開始から3,200人を超える住民が初めての住宅を取得し、取引総額は50億ディルハム(約2,150億円)を超えました。登録者は約45,000人、参加する開発会社は22社です。

Q4. Flexi Rentは、投資目的で物件を持つ人にも関係しますか?

間接的に関係します。家賃の分割払いが認められると、まとめ払いが難しかった層も借りやすくなります。借り手のすそ野が広がれば空室が埋まりやすくなるためです。ただし対象は協定を結んだ不動産会社11社を通じた契約に限られ、家賃そのものが下がる制度ではありません。

Q5. 「支援制度が使えます」と勧められたら、どう確かめればよいですか?

まず居住条件をたずねてください。UAEに住んでいることが条件だと公式に書かれています。日本在住のまま使えると説明された場合は、その根拠を公式ページのどこに書いてあるかで示してもらうのが確実です。制度名はFirst Time Home Buyer Programmeです。

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本記事について

  • 本記事は情報提供を目的としています
  • 記事内容は2026年8月20日時点のものであり、最新性を保証するものではありません
  • 制度の内容・条件は変更される可能性があります。最新情報はドバイ土地局(DLD)の公式ページでご確認ください
  • 円換算は1ディルハム=約43円(2026年8月時点)で計算した概算です
  • 本記事は特定の物件・事業者・投資商品を推奨するものではありません
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